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2010年 12月 28日

クリスマスと本棚

こんな駄文をつらつらと束ねているだけなのに、先週は思わぬ方々から、
かつ多大なアクセスをいただき汗顔の次第でございます。

開店は予想通り遅れておりますが、これからもゆるゆると続けてゆきたいと
思いますので、思い出されたらフラッと立ち寄っていただければ光栄の極みにございます。

閑話休題。
クリスマスが過ぎましたが、みなさんはどのように過ごされましたか?
コメント欄に書き込んでくださると、嬉しいですね。

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by shimac01 | 2010-12-28 20:38 | Book
2009年 10月 26日

ことしのチャンピョン候補ふたたび

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 まいとしじぶんで購入した書籍や写真集をいっしょくたにして勝手にランキング付けているのですが、
これはまさにことしのチャンピョン候補です(もう一冊は同じ青幻舎の「MAGNUM MAGNUMー日本語普及版」。
最近やりますねこの出版社)。ちなみに去年のチャンピョンはカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」でした
(「日の名残り」同様これもまた映画化されるようですがここはひとつキーラ・ナイトレイ@シャネル豊胸疑惑で
お願いしたかった)。

 4年前に同じ出版社より復刻された物は定価31500円だったし(しばらく悩んだ)、
69年の初版(@サイン入り)に至っては神保町の某ぼったくり古書店で90万円以上の
値が付いていました。「いもや」でアツアツのシジミ味噌汁にむせびつつ天丼食べながら
ケシカランと怒り心頭になった思い出があります。てことははじめの発売から
40年経っているのですね。でも作品のゾクゾク感はことし尼崎で開かれていた
展覧会同様、微塵も失われていません。

 さいきんの木村伊兵衛賞作品なんか拝見しても、ぱっと見「まあきれい」という感覚は持ちます。
が、わざわざ購入して家にストックしておきたいと思えるのは志賀理江子くらいです。
(他にも、TV局がタイアップした近親者が死ぬ・もしくはある一定期間だけ生き返る
ゾンビ映画や、BL・ラノベみたいに完全に読者をバカにしているとしか思えない文芸書とは
名ばかりの罰当たり作品が横行し、3年くらいしたらすっかり忘れ去られてバッチリ
買いたたかれてブクオフにて鎮座まします、という感が否めません。ザマミロ。)

 オサレでクレバーなのは現代の風潮を鑑みても(それが敢えての狙いだとしても)、
わたしの鑑賞眼の低さをさしおいて、一枚の写真をつくってゆく上での体温や想いや
骨の軋む音が伝わってきません。

自分の思い描く作品が作れず宿の風呂場で顔を真っ赤にして涙した土門拳や、助手の
森山大道と供になかば強引に家に押しかけて三島の親をあきれさせた彼の「薔薇刑」。
ぐうぜん砂丘を通りがかった小学生をモチーフにとった植田にしても、「じっと」被写体を
待ち続けていた怨念が彼に「ギフト」を与えてくれたのでしょう。

 ひるがえって、永江朗(休刊となった「SMスナイパー」や「Esq」等に連載していた書評家)は
その著書で「書籍はこの30年間で売り上げが2倍に、刊行点数は4倍に増えた」と語っております。
出版関係者は判で押したように「ネット(デジタル化)の台頭で出版業界は風前の灯火だ」とわめきます。
わたしにはむしろ「良書」「悪書」よりももっとたちの悪い「世の中を生きていく上であっても
なくてもどうでもよい本」だけがむやみに増えただけのような気がします。
中上健次を読んで作家を目指すことはあっても、赤川次郎を読んで三姉妹に恋い焦がれる事はありません。

 その「どうでもよい本」の筆頭がブーム化している「新書」ではないでしょうか。
騙されて猫も杓子ものべつまくなしマクナマラ(合掌)に買い漁っている私にも罪はありますが、
読まないことには批判も出来ないのでこれはしようがありません。「語りおろし」という
インタビュー形式でせいぜい3時間程度の全く裏付けのない「とりあえず有名人もしくは
これから有名になりそうな人」のまったく中身のない下らないものいいを、
タイトル名のみ時間をかけて精査し、あとは体裁さえ整っていれば良いという
お手軽本が多すぎます。あ、「貧困大国アメリカ」は良かったですが。
勝間和代はかくじつに3年以内に消えます。
お笑いの「響」はもっと賞味期限が短いでしょう。

 その「お手軽本」ブームの陰に隠れ、ことし晶文社がひっそりと文芸編集部門を閉じました。
「サイ」は投げられた。ダサッ。
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by shimac01 | 2009-10-26 13:06 | Book
2009年 04月 23日

さよなら、エスキー

私が20年間お世話になってきたこの雑誌「Esquire」も、
来月号をもって休刊となる。
いままでありがとう。お疲れさま。

どのような内容にもかかわらず、毎号きっちり買い求める
理想的な読者ではなかったけれど、
発売日以降2.3日には、かならずチェックするのが楽しみでもあった。

ファッション・食・建築・観光・写真・映画・音楽など、
この雑誌を媒介として先達等が教えてくれた事・モノは数多くあれど
(永江朗の書評や黒田恭一の音楽、そして達磨信の酒などは特に好き)、
「靴」に関してはおおいなる悦びをもらった。

この雑誌がなかったら、私はドレスシューズの聖地である
英国・ノーザンプトンの存在を知るべくもなかったし、
実際に、足を運ぶこともなかったから。

1990年にはじめて訪れた英国では、大英博物館の向かいの
アラブ人の経営する(このじてんで十分あやしい)レストランで
焼いたトマトを初めて見(池波ふう)、なぜ日本は
こんな不味い物を食う国に戦争で負けたのか真剣に考えた。
リー&ペリンのウースターシャー(ほんとうはこう表記すべきらしい)ソース旨し。

あと、食で思い出に残るのは、バーガーキング(Yappar!)と
チャイナタウンでの北京ダック(恐くて高かった…)と
故・大屋政子経営の居酒屋「にんじん」くらい。

しかしパルマル地区の地下バーで呑んだ生ギネスの旨さは、はじめて見た
シャムロックのバブルアートとともに今でも憶えている。

釣り道具店「House of Hardy」では日本では考えられない
長尺(川幅が違うのだから今思えば当然)のバンブーロッドや、
ウェットフライの充実度に驚かされたり、
17歳のインストラクターに完全に上から目線で
接客されたりして、その晩、枕に涙した。

「Worlds end」では歯並びの悪い例のババアが鼻糞をほじっていた。

ソーホー地区の書店「MotorBooks」では日本における
英国車エンスージャストの動向をギロリ眼の店員に詰問され、
「日本で一番有名なのはフブキユーヤの乗るロータス・ヨーロッパです。」と
口走ってしまい、帰りのバージン航空機(アイス旨し)内まで、
「伊丹先生スミマセン」と私を後悔させた。

のちにエルメスに買収されるジョン・ローブには、
いまもわたしのラスト(木型)が残っているはず。
(邦貨で当時約17万円。あの頃たしかに私は何かに取り憑かれていた。
店員にナメられぬようパンセレラのソックス@5000円と
E・グリーンのダービーを履いていった)

スタイルは「City」と呼ばれるごく普通のキャップトウだが、
それでは芸がないのでダブルソール仕様にし、アイレット(紐穴)も
ひとつ減らした。が、そんな中国人くずれが
アルカイックスマイルで唱えたオーダーをクールに聞いていた店員は、
当時どのように受け止めたのかは、いまもナゾである。

ベルルーティやコンテをはじめ、大阪にもここの代理店はあるが、
レザーの品質はガタ落ちしつつ価格は高騰と、いまでは見る影もない。
それを有り難がるご同輩のなんという多さよ。オヨヨ。
(いま流行のロングノーズ&極スクエアトウは、まったく知らない&興味ない)

「すべての情報誌はここ数年のうちに全部つぶれる」とは、
とある有名なだんじりライターの言であるが、やはりそうなのだろうか。
やはりそうなのでしょうね。

この雑誌には、いわゆるパンチェッタ系「チョイ悪オヤジ」養成雑誌とは
すこし意味合いの異なったエロさというか、理系チック(意味不明)な
「粋」が込められている気がしていたのだが。

いもじくもことし初頭に休刊となった「PLAYBOY」同様、
これまでのリイシューとして、最終号には編集者の矜持が
バキューンとつまった渾身の一冊を期待する。
価格はこのさい問わない。

ところで、みなさんは黄金週間をどのように過ごすのでしょうか。
わたしは軍艦島@長崎県を計画中(だが、無理でした)。

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by shimac01 | 2009-04-23 14:51 | Book
2009年 02月 11日

本と本屋とアゴなしゲンと私

さいきん、むかし読んだ本をあらためて買い求めることが多い。

なんで又買うのかと問われると、内容をさっぱり忘れていることもあるし、
読みたいからと言うしかない。
当時は何か別のこと考えながら読んでいたのかも知れない。

一冊の同じ本であっても、10代には10代の読書があり、そして70代には
70代の受け止め方がある。

そのほとんどが昔からベッドに寝転がって読み散らかすスタイルなので、
ハードカバーは疲れるからまずパス。乱丁落丁は困るが、買い求めた本が
汚れていたり書き込みしてあったりなんぞ、とうぜん気にならない。
しかしごくたまに筆者のサイン本などが紛れていることもあり、彼のことを
想うと少し複雑な気分になる。

こんなときにネットはまことに便利であり、かつ、蠱惑的でもある。
きっと私よりも恩恵に授かっている御仁も多いだろう。
店頭では買えないラノベやBLとか…。

よく利用しているサイトでは1500円以上で送料が無料になるので、
それを見越して選択するのだが、105円という価格にこだわって選んでいると
知らないうちに2時間くらい経っていることもある。
自分のせこい性格が恨めしくなる。でも車でもなんでも
「買うまでの楽しみ」は格別のモノだ。

云うまでもないが、このような買い方をしていると書店での「出会う喜び」は
ないのであるが、敵も然る者。Amazonあたりでは関連した書籍を
これでもかと薦めてくれる。嗚呼。花の応援団。

天神橋あたりの古書店巡りは、また格別である。せいぜい3軒くらい
サクッとまわって17時を過ぎれば、馴染みの居酒屋に突入だ。
(この界隈の古書店にかんしては今月号の「大阪人」に詳しい)

天神橋筋商店街でもっとも古いらしいその居酒屋では小鍋立て(1人用)の
湯豆腐とハムカツ、そしてなんだか銘柄がわからない安日本酒2本で
私には鉄板である。

いつまでもグダグダ呑まないのは実は買った本が家で読みたくて
しょうがないのであり、気分は池波正太郎であり、秋山小兵衛なのである。

たまに店で呑みながら読書している御仁がいらっしゃるが、それは本に失礼、
というよりも、酔って頭に入らないのではないかと人ごとなれど
すこし気になる。ページをすっ飛ばしていないかなど。
「居酒屋で呑みながら本を読んでる俺」に酔っているのなら別に良いけど。

それにしてもまだまだ読んだことのない本が多すぎる。
なんと人生を損していることか。日本漢字検定協会よりもたちが悪い。

きっと、なんとなく売り払ったあと、やがてまた買い求めるのだろうけど。

●さいきん読んだ本(順不同)
村上春樹「辺境・近境」
吉村昭「戦艦武蔵」・「熊嵐」・「破獄」
海老沢泰久「快適な日々」・「監督」
田中長徳「カメラはライカ」
山本周五郎「五瓣の椿」
梁石日「闇の子供たち」
横尾忠則「インドへ」
深田久弥「日本百名山」
溝口敦「山口組四代目 荒ぶる獅子」
辻静雄「フランス料理の手帖」
ソーロー「森の生活」
カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

※写真は、迫り来る未曾有の「本の森」に立ち向かおうとするガクブルな私。
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by shimac01 | 2009-02-11 19:25 | Book