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2009年 09月 02日

路上生活者:心の病深刻・失業、就職難が原因に(魚拓)

 国立病院機構久里浜アルコール症センター(神奈川県横須賀市)の森川すいめい医師らが
昨年末~今年1月上旬、池袋駅周辺で路上生活者の支援に取り組むNPO法人
「TENOHASI(てのはし)」(清野賢司事務局長)の協力を得て実施。駅1キロ圏内に
寝泊まりする路上生活者約100人に協力を求め、応じた80人を診察した。

 それによると、うつ病が40%、アルコール依存症が15%、統合失調症など幻覚や
妄想のあるケースが15%。複数の症状を発症しているケースもあり、不安障害やPTSD
(心的外傷後ストレス障害)なども含めると63%(50人)が何らかの精神疾患を抱えていた。
失業してうつ病になったり、疾患が原因で職に就けないなどの理由が考えられる。重症者は
調査に応じられないため、実際はより高い割合になるとみられる。

 一方、約半数が「死んだほうがいい・死んでいたらよかった」などと考え、「自殺リスク」が
あることも判明した。路上生活歴は平均5年8カ月だったが、6カ月未満が20人で最も多く、
森川医師は「公園や河川敷と異なり、家を無くしたばかりの路上生活者が多く、
自殺につながりやすい」と懸念する。

 森川医師によると、精神疾患を抱えると、▽自分には生活保護を受ける権利がないと思い込む
▽自ら福祉事務所に相談に行けない▽福祉事務所の職員と話がかみ合わない--などの理由で
路上生活から抜け出すのが困難になるという。

 森川医師は「国は精神科病床の削減を進める方針で、精神疾患を抱える路上生活者が増える
可能性もある。専門性の高いケースワーカーの育成が急務」と指摘する。

 調査メンバーは今後、路上生活者の中に数多く含まれるとされる発達障害や知的障害に
ついても調べる。

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 ■解説

 ◇新政権は早急に対策を
 路上生活者の6割が精神疾患を抱えている実態を指摘した今回の調査は、国に支援策の
見直しを迫るものだ。

 国の最新調査(09年1月)では、全国の路上生活者数は前年比1・6%減の1万5759人。
自治体の大半が日中に職員が目視で人数を数えているが、路上生活歴が短い場合、一見して
分かりにくいうえ、深夜の駅周辺に寝場所を確保する傾向があり、「今の調査方法では実態が
つかめない」との批判が出ている。7月の完全失業率は過去最悪の5・7%を記録し、
路上生活者がさらに増える可能性がある。

 行政側の従来の路上生活者支援は、ケースワーカーが短時間面接し、一時保護施設に
あっせんするなどして終わるケースが多かった。

 しかし、短期間で一時的な支援では、精神疾患の有無を把握することは困難。路上生活者を
減らすためには、ケースワーカーが繰り返し当事者に接触し、必要に応じて医療につなげる
システムづくりが不可欠だ。何よりもまず新政権は、路上生活者と精神疾患に関する全国規模の
調査を行い、実態を把握する必要がある。【市川明代】2009/09/02 毎日新聞

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by shimac01 | 2009-09-02 23:02 | people


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